食卓の情景

食卓の情景
池波 正太郎
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 昔から食べ物を扱う作家さんと言うのは大好きで、そんな本は結構読んでいる。特に好きなのは、開高健[G]
 オーパなどに出てくる描写はなんともネットリした食べ物の風景を見せて「ああ、おいしそうだなあ」なんて思わせるし、時にはまずい(オヒョウの時やチョウザメの時のがっかりした書き方は面白くてしょうがない)なんてこともサラサラ書いていた。まさにあこがれる作家だ。だけど、基本的に下戸な私からすれば、そんな話を聞きながらウイスキーをグビリといけないところが残念ではあるのですけどね。

 さて、今回読んでみた池波正太郎。以前より、気になっていたのだけど、不勉強ながらほとんど読んでいなかった。まあ、鬼平のくだりを少し読んだ程度だ。
 でもその時からあったのだけど、池波さんの書き方は、食べ物を中心に据えるのではなくて、その主人の人柄や、店の様子。そして食べる人間の歴史と言うか背景が中心に。
 そこが、また食べ物との比較が出て、雰囲気がでて面白い。こういう食べ物の書き方があるんだなあと、妙に納得したものが。

 そう言えば、この本にも沢山のうまそうな店の名前が出てくる。元からこの本は、料理のガイド本ではないなんて書いている。でも実際その通りで、紹介されている本は、食べ物にきっと興味ある人は一度は行っていそうな。そばのくだりの店は、ほとんど行っていたなあ(笑)
 その情景を読みながらまた行きたいなとも。ちなみに、神田のまつやや薮は有名ですよね。私はどっちか行ってから、竹むら[G]で甘いものを食べるのが大好きだったりしますよ。また、地元の、刀屋[G]も書かれていたのには。道理で地元以外の人が多くおとずれるはずだ。時間が悪いと観光客でまともに入れないからねえ(笑) あの太いそばも懐かしい。


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