教材設計マニュアルー独学を支援するために
鈴木 克明
教材作りって難しいのですよ。
実習させてみて、習得者が希望しているスキルを獲得出来れば問題ないのです。教えているほうもやりがいがあるんですけどね。でも、拾得者の取り組みに、「なぜやるか?」という問題意識を持って行なってもらわないと、いま何やっているのか理解出来ない。だから結局習得出来ない。実際に先生の仕事をやっていると、そう言う事がよくあります。だから、実習前になぜ今回の事を学習するかということをしっかり伝えることを心がけています。
今回のこの本では、実際に教えると言う事ではなくて、自習教材の作り方が書かれています。独学を支援する教材は最近特に注目されていますよね。最近の情報商材なんていうのも、場合によっては、独学を助けるものですからね。この本を読んで、改めて、ただ書きなぐっているものが多い事、認識しています。
「独学を支援する教材」を構成する要素ってどういう物でしょう。この本では4つの定義が。
- 自分がよく知っている内容/よくできることか? 知っていれば工夫出来る
- 教材作りの協力者が得られるか 協力者とは実際に学ぶ必要のある人です。
- 短時間で習得出来るか 独学の基本は一回一時間で終わる事
- 個別学習で、教材が独り立ち出来るか。情報のメッセージを伝えることができるか
この定義を踏まえて教材を作っていくのですが、ここに必要なものが加わります。それはテスト。習得しているか?のチェック項目が必要です。
また、テストには事前テストと言うものもあります。事前テストとは教材をやる前に、この内容が必要あるかのチェック項目。知っていればパスして次の項目に行けば良いですから。
また、普通にチェックテストも必要です。当然クリアー出来なければ教材に不備があると言う事ですからねえ。そのことも考えて教材に情報を加えていかなければ行けません。
教材作りのコツとしては、ポイントごとに塊(チャンク)にして章に分ける必要が出てきます。やはり、その目安は1コマ1時間ということでしょうか。
そしてもう一つ重要なのはテスト。テストをしてこうかを判断してもらう必要があります。テストをしてくれる人は良く、書籍に<協力者>として載っているようですね。ともあれ、テストの結果から必要な情報をたす、引く、移動、変更と言う事をしてより良い教材作りをしないといけませんね。
教材作りの一つの壁は、「こういう教えかた、されてきたから」と方法を絞る事。様々な教授法が現在あるから勉強しながら色々な手法を取り入れていかないとね。教える事はやっぱり難しいなあ。