シャドーワーク

シャドーワーク ー知識創造を促す組織戦略
一條 和生 徳岡 晃一郎
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シャドーワークと言われると、影の仕事みたいで、怖い仕事を連想してしまう人もいるかもね(笑)。
 ここで言うシャドーワークとは、業務以外で行なっている、プラスαの仕事、というか、自発的に行なっている作業の事をさすようです。
要するに、自分の為に行なう、内職とも言えるでしょうね。

ちなみに、シャドーワークがない職場とは、粛々と言われた事だけを行なっている職場となる。そう言う職場には、正直自分は興味がないですが..。
そんなシャドーワークを行なう事で、新たな業務の効率化や発見がなされている事は注目するに値するでしょう。

この本の例で言うと、2002年に発売されたマーチ[G]。その当時、日産としては凄いヒットを飛ばした車であったが、発売前は批判の荒らしにあっていた商品だったと言う。
 そんな商品を発売出来たのは、外部マネジメントが効かないところや説得の材料と言えるフィールドワークが、系統立ててできなかったので、開発責任者は、シャドーワークとして、調査活動をしていたと言う。
 会社としては統制を取ろうとするかもしれないが、そうではないところでヒット商品が表れてきたと言うのは注目に値するだろう。

 また、シャドーワークがない所からヒット商品がでる理由としては、小さなお客さま思考になってしまう。会社の外に飛びだして、会社外の調査や情報収集。会社外の人との連携などで新たな創造がなされていると言う事が注目すべき事とこの本は説明している。

 その他にもシャドーワークの成功例が書かれていた。例えばGR Digitalブログの成功。企業のブログメディアの成功は少ないが珍しく、ここは成功している。
 ポイントとしては、企業の公式とは言え、慎重になりすぎない事を心がけたと言う。手探りながらも、休みに撮った写真を載せ情報配信する事や顧客のやり取りをトラックバックする事でかなりの反響を得ているようだ。
また、実際に、このブログは現在でも、新商品がでるとものすごい反響を得ていた事も事実だしね。

 シャドーワークを阻む壁はなんだろうか。一番は上司の壁かもしれない。上司が理解がないばかりに、結果を出せない人も多いだろう。そこら辺は「バカの壁」とも同義になってしまいそうだけど。

 やはり推進する為には、上司から率先して、何かの研究会に入ったり、行動するなど、すべきかと。そして、それが風土となれば強い会社になるかもしれない。というか、そう言う事ができなければ、上司になるべきでもないし。
 
 強い会社の代表例がGoogleや3Mだ。
 持ち時間のうち15%から20%は自由に使って良いと言うのがルールになっている。Googleの先進的なシステムはそこから発生している事に注目する必要があるでしょう。

 少しでも、創造的な企業にする事を考えるならば、「シャドーワーク」をどう生かすか。経営者ならば、考える必要はあると思いますね。


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