富の未来 上巻
A. トフラー H. トフラー 山岡 洋一
富の未来 下巻
A. トフラー H. トフラー 山岡 洋一
猛烈に面白かった一冊。
ずっと以前に読んでいたけど、紹介し損ねていた。
知識に関するスピードの早さと行政や実際の企業のスピードが完全にかい離している世界。それが今の世の中です。
企業、特に大きな企業でも、変化のベースは異常に早い。この前有名企業と言われている会社もいつの間にか没落してしまう。株式なんかそう言う意味では、なかなか購入するのは難しいですよね。
また、家族のスピードも最近速くなっています。と言うのはインターネットは普通に奥様も使っているし、携帯を使った文化は今は高校生にだって広がっている。そう思うと、日本の家族って普通の国に比べて技術や進歩のスピードが速いと言えそうな。
それに対して、ゆっくりなのはいったい何か。この本によると行政機構だ。だから皆が政治に対してイライラするのも、しょうがないといえるかな(笑)
ともあれ、現在はネットのおかげで世界に通貨が猛烈なスピードで移動している。仕事の規模も変わっているしね。ナノテクは進んでいくし、情報も進んでいく。情報は発信元が一部だったのがブログメディアの流行りで、独占的な発信者も少なくなってきている。やり方も業種や人によって細分化するし。
ともかく、その異常なスピードである現在を振り返るのが上巻でした。
また下巻では、その伝播のスピードが家庭や伝染病と言った事にも繋がっている。何も良い事だけではないと言う訳だ。それは環境破壊も世界的になっているしねえ。
特に経済格差については、言うべき事が多い。
現在はインドや中国と言った人口の多い国家が成長し始めている。そのおかげで資源が足りなくなっている。
そこで現れたのがバイオ燃料。トウモロコシやサトウキビから車のガソリンをつくっている。そのおかげで先物市場は異常に盛り上がっている現状もあるしね。
この本では、日本も多く取り上げられているので、日本人としても見るべきところは多い。この本は、昨年発売されてから、いろんなメディアで紹介されていると思うので、読んだ人は多いと思う。
読んでいない人は、夏休みにでもぜひ読むべきかと。現在の状況とこれからの方向はどちらに向かっているのか。それを考えるとこの本は興味を起こしてくれる事が、多く含まれている。