ちょっと本気な千夜千冊虎の巻ー読書術免許皆伝
松岡 正剛
書評をつけよう。とにかく読んだ本を貯めてみよう。
そう思ったきっかけになったのが、松岡正剛の「千夜千冊」。
今日現在では、1200夜。あの文字量の書評がいまだに続いている。この書評の凄いところは、本の感想で終わっているものがほとんどない。その周辺にまつわる雑学の話、またその作家の人となり。そして、その本にまつわる歴史と言ったところまで抑える事がある。
その凄い知識量にいつも舌を巻くし、このレベルの文章を続けている事だけでも凄い事だと思う。
現在では、今までの千夜千冊を本にして、書き直して出版もされているようだ。
さて、この本は、千夜千冊を知っている人向けに書かれているのは間違いない。いきなり膨大な本の解説をされても、きっと困ってしまうだろうからねえ(苦笑)。
その知っている人向けに、インタビュー調で、千夜千冊の書籍化された本から、その解説を一つ一つしていく。
ある程度まとまっているので、一つの傾向はみる事ができるかも。その中で気になる本を実際に読んでみる。それが一番のこの本の使い方だろう。
この本を読んでいて読書術として、フーンと思ったのは、以下の言葉。
『再読にこそ「読書」の醍醐味がある』
すぐに読むのではなくて、例えば高校時代に読んだ本。たとえば漱石の三四郎とか。そう言った本をまた今の年で読んでみる。そうすると若い時の感受性と今の感受性では違った感想を持つ。違った本になる。
そして、忘れているからね(笑) 忘れないようにするためにも、ポイントになる事はこうやって、ブログに書いていると言うのもあるのですけどね。
もう一つ気になったのは、作家との出会いとして、本に挟み込んでいる読書カード。この一枚のハガキから、いろんな出会いがあった事が、書かれていた。そのくだりを見ていると、自分もハガキに感想書いて出さなきゃ損だなと、思ってしまったり。
さて、この本を読んでいると、自分も本を読む人間だとは思うけど、まだまだ底が浅いなあと…。
自分も正剛氏のような、いっぱしの読書人になれるのは、いったいいつになるんだろうねえ。つくづく読書道というのも、奥が深い。
また、読むべき本が、これだけあると思うと、それはそれでワクワクしますね。