スローン・コンセプト 組織で闘う 「会社というシステム」を築いたリーダーシップ (ADL経営イノベーションシリーズ)
アリン・フリーマン アーサー・D・リトル(ジャパン)
アメリカの自動車業界で有名な人となると、アイアコッカやヘンリー・フォードの話が必ず出て来ます。
でも、アメリカで一番売れている自動車メーカーGMの会社をしっかり立ち上げた人のこと、多分日本で走っている人は少ないと思います。私は知りませんでした。
その人の名はアルフレッド・P・スローン・ジュニア。
経営の方式は、アメリカの有名社長となると、その自分のわがままとも言える強権を発動してガリガリ人を動かすと言うのが、イメージなのだが、彼は違った。
あくまで、権限と管理は本社で一本化したが、委員会を複数設置した分権性をもっていた。
また、実際の決定は、あくまでコンセンサスを得てから、絶対的に行動したとある。
どちらかと言うと、日本的な経営者と言う気がするがいかがでしょう?
また、人の使いかたもだいぶイメージと違うようだ。
アメリカのイメージだと社長の意見と違っていたらその場で首、you Fire! っていうかんじですけどね。
でも、この本を読んで見ると違う。あくまで一つのプロジェクトに関して責任を負わせるが、それが失敗したとしても、そのプロジェクトを外れる事だけを示唆する。あくまで将来を考える仕事は、社長のスローンが受け持つと言う。この潔さはすごいなあと。
アメリカ人の社長イメージがだいぶ変ります。また、彼がいたのは、1920年、30年代代なのに、デザインに注目したり、利幅の大きいキャデラックと言った高級車に注目したりと、非常に先見性が高いとも言えるでしょう。
こう言う社長がアメリカにいたんだなあと、ちょっとアメリカの経営者の見る目が変った一冊です。
スローン・コンセプト 組織で闘う 「会社というシステム」を築いたリーダーシップ
- アリン・フリーマン、アーサー・D・リトル(ジャパン)
- 英治出版
- 1995円