どんなときでも「YES」と言わせる交渉術
ロナルド シャパイロ ジャームズ デイル マーク ジャンコウスキー
大リーグの交渉人が伝える交渉術。前文はなんとカール・リプケン・ジュニアだ。
大リーグの交渉術と聞くとアメリカらしく、強引に得られるものを奪っていき、相手を完膚なきほどに叩潰す。そんなイメージでした。
だけどこの本では、そんな交渉術を批判しています。相手を叩潰すとそのときは勝ったので、その時は気分が良いかもしれない。しかし、それでは相手との関係はダメになってしまう。では、どうしたらよいか。
この本では、勝つ秘けつを「大勝ちー小勝ち」と称している。
交渉に勝てる秘けつを以下のように
- あなたの望みを知る
- 相手の望みを知る
- ある程度相手に勝たせて、あなたはより多く勝つ
- 弱虫になって、まずい取引をしない
相手の要求を深く知る事。この事ができれば妥協点を見る事ができる。たとえばその場でお金を払えなくても、その後に発生する商品権利や物。この本の事例では座席の権利と言ったものまで含めて交渉に上げる。何が、お互いに有利な点になるかわからないだけに、交渉してみないとわからない。お金以外では十分大きな譲歩を獲得している話も載っていた。
その為にも事前に準備、調査、提案を行なう。ちなみに提案は、相手より先に話さないほうが良いようだ。
重要なのは相手の話を聞く事。そこから妥協点、要望の解決がみられる事がある。その時にどんな準備がしてあるかが、交渉人の腕の見せ所だ。
どんな剛腕な交渉人も思った以上にしたたかに、論理的な人物だと感じられた。そして力づくと言う事はありえないのだなあと感じられた、そんな一冊。