フィンランド豊かさのメソッド

フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453)) (集英社新書 (0453))
堀内 都喜子
4087204537

今、教育のことで、日本は迷っている状況なのかなあと。
例えば、ゆとりの問題だったり、教育の水準が以前に比べて下がっているのではと語る、大学の先生も、私の周りには何人もいる。それじゃあ、解決した前例はどこかにないかと、探していると出てくるのが、フィンランド。
日本に比べて教育ランキングは高いし、大学卒業生の水準も高いという。

それでは、その国内事情はどんなことになっているか?
この本では、実際にフィンランドに行ってきた留学生の一人が、自分の体験を元に記述している。まさに現場の生の声という感じで。

基本的に日本とフィンランドの教育制度は変わらない。
ただ大きく違うのは、教育費用が国が支出してくれること。当然ながら日本と違って消費税が20%以上という国ではある。福祉のために個人の収入はかなり制限されている。だが、それでもこの国の人たちは、「みんなが幸せになる」として、受け入れている。

また学生でいる間は国から補助が出る。うまく生活すればそれで生活ができるくらいに。なので、失業しても「学校へ行って技術を学べばよい」と考えいる人も多いというのは興味深い。
また、老後に 大学教授の資格を取ろうとする人も。福祉政策があまりに充実している問うこともあるが、学習に対する意欲は全く違うようだ。

日本の老人 をみていると「人に迷惑をかけない」ということを思っている人は多いと思う。独立独歩している老人をみていると、やはり尊敬できるところはある。
でも、何かあったら協力し合うよ、と言うフィンランド特有の優しい国としてあり方も、また魅力ではあるなあ。

何が正解なのかはわからない。でも、一つの形として、フィンランドはこれからも気になる国になるだろうなあ。


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