図解 クラウゼヴィッツ「戦争論」は面白い!?厳しい現実の中でリーダーシップをとる人のために
是本 信義
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「面白い!」とタイトルがついている本は、本当に面白い事って、あんまりないんだけど(笑) 、この本は、以外や以外。本当に面白かった。基本的には、クラウゼヴィッツの戦争論を、第二次大戦の日本やポエニ戦争ハンニバルなど、実際の戦争に当てはめて紹介している。
クラウゼヴィッツの戦争論。孫子[G]の戦争論と違って、戦略、戦術について焦点を当てているのではなくて、ロジスティック(兵站)と政治に主眼を置いている気がする。そこが、最近の経済や会社育成の本で時々取り上げられていると言う事になるんだろうなあ。
戦争についてクラウセヴィッツはハッキリ書いている。
「戦争は暴力行為そのものである」 ということで、戦争について肯定していない姿勢は見て取れる。しかし、戦争という行為は「政治に支配される」のですよ。そして、「戦争には二つの目的は存在しない」のだ。この目的を履き違えると、歴史はとんでもない結果になっている事を証明している。
ということは、今度のイラクの戦争。最初の目的は「フセインの逮捕」ではなかったか。今の目的は「民主化する事?」 もう目的がよくわからなくなってきているのは事実。けっして、「領土の保全」ではない気がするので、兵の士気、民衆の支持は得られそうにない。こりゃどう考えても泥沼化するんじゃないか、そう思うのもしかたないか。
さて、ロジスティック(兵站)ってなに? 要は補給の事である。
アメリカと言う国のすごいところは、しっかりロジスティックの事をかなり重要に行っている。ここは、しっかり認めるべきだ。イラクの時も補給路の確保を徹底して進めていた姿をおもいだした。第二次大戦の時も、「何のために作戦を行うのか」ということを厳格に「目標管理していたらしい」上級指揮官から任務/目標を追求する目的を「目標系列」と言う形で確立しているとのこと。
こりゃあ、精神論ではすごかったかもしれない日本軍も、目標設定を組み上げていく手法に関してだめだなあ。多分「汝欲するものを与える」という、キリスト教のバックグラウンドが違うような気もしているけどね。ちなみに、アメリカでは「目標」を達成するために下士官にはある程度の自由裁量が認められたらしい。目的達成なら手段は問わずということか。
やはり、この目標設定術というのが、企業家の心をとらえているのかもしれない。以下本より抜粋。
クラウセヴィッツの言う
「究極の戦略目標を達成するには、その手段である戦術上の目的手段を積み重ねることだ」
この言葉は、戦略と戦術、目的と手段を明確にした考えとまったく軌を一した考えと思われる。