父の文章教室

父の文章教室
花村 萬月

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 花村萬月氏の壮絶というか、なんというか、幼い時代を綴った本。決して、いろんな人に勧められるような、学習法ではないというのが、すごいというか、何といおうか…。
 しかし、すごい小説家を生み出したことは事実なんだけど、同じようなことを自分の娘に出来るかと言われると、「そりゃできん」と答える私はアマアマなんだろうか。

 しかし、一つ大切なことを教えてくれている気がしている。というのは、この本によると、萬月氏はすくなくても、親から”本物”に触れる機会もっていたのには間違いない。”本物”を与えることはやはり重要なことだろう。そのためには、親が「本物ってなんだろう」って考えなくてはいけないだろうなあ。

 花村氏が幼少時代に受けた教育は何だったか。

「父の文章教室とは、じつは強制的な読書にほかなりません。」
P108より

そうなのだ。ひたすら小学一年生に岩波文庫の旧書体の文庫を強制的に、音読を繰り返させられたそうだ。子供に理解できるかいな、という無茶な、ある意味拷問にも近いような事を繰り返したことで、あの強烈な文章が体内にしみ込んだんだろうなあ。

 英語でも、音読が一番の近道だと思う。優秀な文脈を作る人間を作るには、優秀な文章を体内にしみ込ませるくらい、口に出す必要があるのかなあ…。


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