日本人が知らないアメリカひとり勝ち戦略

日本人が知らないアメリカひとり勝ち戦略
日高 義樹

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 この本が出版されたのは、昨年のブッシュ大統領が決まる前。タイムリーなタイミングで読んでおけばよかったと、ちょっと後悔。でも、読んで見て非常に興味深い内容が詰められた本。つくづくアメリカと言う国は正直な国と言うか、欲望にちかい国というか、欲張りな国と言うか…。

 ブッシュ大統領選挙前の文章なので、ブッシュ当選について滔々と述べられても今更の感はあるが、経済政策の手法のところでは、むむっとおもわせるところが。以前クリントンの時には、双子の赤字を解消することを目指していたが、ブッシュは違う。アメリカが発展するには、ガンガン減税し、赤字が出ようが、とにかく経済の循環に突き進む。そして、アメリカが繁栄することで、後はガンガン紙幣を発行する。
「アメ入りが信用にたる国であればよい」
そういって、赤字国債を発行して、経済の繁栄を回し続けているのである。でも、海外に流れるかと言えば、そのお金を持ってアラブマネーなどは、ラスベガスに帰っていく..。よに恐ろしいアメリカの錬金術である。
 こりゃ、きっと共和党から民主党に移ったときには、その反作用として強烈な引き締めが行われるのだろうなあ。 その時には株価は絶対下がるだろうから、共和党のうちに、しっかり稼いでおかないとねえ。

 そして、アメリカの軍事政策。今ブッシュは冷戦の構造を完全に変えるべく基地の移動、縮小、構造の改革をすすめている。でもこの本によると、日本の基地は返してくれないらしい。だって、せっかくもらったんだもん、というのが、正直な理由か(笑)
北朝鮮のこともあるし(気にくわんが、土地には興味ない)、サウジアラビアも問題あるしで、アメリカはこれからも忙しいらしい。始まったばかりのブッシュ後期4年間。その方針はどんな感じなのか、アメリカはどうあがいても、経済の中心には変わりない。一度チェックしておく必要があるのでは。

日本人が知らないアメリカひとり勝ち戦略” への2件のコメント

  1. アメリカが日本の基地を返してくれないのは、日本が(特に沖縄)地政学上極めて重要な位置にあるからです。沖縄を押さえておけば東アジア全体ににらみを利かせることができるので。
    それと日本は勝ち組みであるアメリカと絶対に仲良くし続けるべきです。国際関係においては正しいとか正しくないは二の次で、勝つことが最重要。差別といわれようがエゴと言われようがこれは冷徹な現実です。

  2. >ぱた卍どの
    どこかで読んだ話ですけど、日本のアメリカをしておく事で、アメリカ本国を守ると言う効果を狙っていると言う話もある。中国、北朝鮮がアメリカに攻撃する前に、前線基地として、そして、最初のインパクトを受ける土地として日本が重要とな。平和主義者がきりきり言いそうな話ですが。
    しかし、日本と言う国が残っていくにはアメリカという国がない限り難しいと言うのも事実。この局面を理解して舵取りが出来る、そんあ政治家はいるんでしょうかね。

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