ポストモダン・マーケティング?「顧客志向」は捨ててしまえ!

ポストモダン・マーケティング?「顧客志向」は捨ててしまえ!
スティーブン・ブラウン

by G-Tools
もうここまで来ると何も言えなくなる。呆気にとられた一冊。
 今までの、「お客様こそ第一! お客様は神様だ!」 この理論を徹底して、否定しているこの本。面白くてたまらない。でも、この手法が全てにおいてうまくいかない事も、改めて記載しているのが潔い。

 たとえば、マイクロソフトは、顧客第一主義?
 コーチのケリーバックは、お客様のことを考えて、制作されている?
 答えはいずれも、ノーじゃないですか。マイクロソフトは、あくまで提供している環境で実行できることを出して、それに併せて、お客様達が懸命になって、やりかたを学んでいるじゃあないですか。そして、ケリーバックは、法外な値段で、それも一年くらいも待たせてやっとの思いで買ってもらう。だからこそ、そこに価値が出てくる。「選ばれた民」になることが出来るのです。そのように、お客様を誘導する高級なテクニック。これこそが、この本の”次の”マーケティングということです。こう書くとと嫌みのように見えてしまうかもしれません。それが面白おかしく書かれています。むしろ気持ちいい。でもここまで言われると、もう何も言えません(笑)。

しかも、この本だって、その手法がとられかねない自体になっています。一時期、アマゾンでこの本の在庫がなくなって、本の渇望感をあおられたときに、多分この本を読んだ人でしょう。この本に1000円増しにして中古本を売りつけていました(笑) 誰かきっと中古に手を出したかもしれません。わたしも、この本が無くなったときに、もう絶版?! などとちょっと焦りました。で、普通の本屋で慌てて買ってきてしまいました(笑) まさにこの本の実践と言う感じです。

 きっとこの本の手法は別の書籍で紹介されるはず。その時には、この本が手に入らなくなるかもしれません。(いや、きっとこの本の作者が、それを狙っているかもしれません) 
手に入るときに買っておいたほうがいいかもしれません。…なんて、あおりたくなる、変にスゲー本でした。でも冗談抜きでこの本は読み物としても面白い。お買い物大好きな人は、どれだけ自分がだまされているか感じられる、すごい本ですわ。
 
 私の中では、今年読んだ本の中でナンバーワンのエンターテイメント本ですわ。決して実践で使えるかは不明ということで。


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