「技術者力」の高め方

「技術者力」の高め方?戦略思考で研究開発・製品開発が変わる!
水島 温夫

by G-Tools
日本の自慢する製造力、技術力。それがいま、きちんと評価されていないんじゃない、というのが、著者の考え。技術者の悪い所は、技術開発には、興味があるけど、実際の運営にあんまり顔を出したがらない。でも、本当にお客様を喜ばせる力があるのは、開発者、技術者にある。決して営業の人間ではないんですよ。そんな人たちは、実際のお客様の声を求めに、展示会には、時々顔を出すけども、それ以外だと、どうしたら良いのか分からないのかもしれない。
 
 そんな状況を打開してくるそうなのが、この本。プロジェクトチームは、実際の開発エースに参加してもらうことが重要。そして、事業戦略を含めて前に立つべきというのがこの本の趣旨。新しい技術開発にも限界がある。それでは、どうやって、戦略を立てていくか。この本では会社の形態として、6つの形がある。

  • 世界初型
  • 匠型
  • ソリューション型
  • 汎用品型
  • ベストパートナー型
  • 「こだわり」型

 この中で、日本人が得意なのは、匠型。独特の匠の技術でじっくり開発していく。そして、もう一つはベストパートナー型。これは、トヨタの系列会社のように、特定の会社に特性の設定で組み上げていく。しかし、世の中は変わって、下請け、孫請けでは生き残っていけない。
 それに対して、汎用型は欧米が得意。デルのように、世界中で一番安い向上、生産ラインを見つけて、組立はポーランド、特定な部品は台湾、コールセンターはインドといった具合に、ひたすら世界中低価格を狙っていく。このようなマネは日本人には厳しかろう。

日本人は少し左脳に寄せすぎているようだという指摘もあった。確かに、きっちりとした製品で素晴らしいのがだけど、どこかデザインとか楽しさと言うのが足りないのかなあ。より付加的に。例えばスウォッチ社 [G]のように付加的要素を、と書いてあった。やっぱり楽しさと言うのが重要かな。

今までのように、きちんとした物だけ作れば良いということではなくなってしまった。より楽しく、付加価値があるように。でも、裏ではしっかりとした技術で作ることが必要なのかもしれない。
ヤッパリ技術者って仕事は、誇りのある仕事だからねえ。私もそんな人たちには頭が上がりません。


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