「買いたい心」に火をつけろ! 顧客が本当に欲しいものは何か
ハリー・ベックウィス 阪本 啓一
以前紹介したインビジブル・マーケティングの著者の本。やっぱり期待通り、面白い本でした。この著者の物の言いプリが面白くてぐいぐい読ませてくれる。そして、言っていることは、歯に衣着せぬ内容も多い。今回も期待を裏切らない。
今回の話題は、お客の発火点はどこか。マーケティングのコアポイントを探していきます。前回の本と同じように、わかりやすく説明してくれるので、理解しやすいのです。
たとえば、ネットって「発火点」としてはどうでしょう。ネットに関して、著者はハッキリと、「打ち出の小づちではない」と。自分も仕事をしてきて、その通りだと思っています。
ネットとは、他にあるメディアの補助として使うと非常に効果があるのですが、人集めの「正解」としてしまうと逆にコアな客層になりすぎてしまう部分もあるので、注意が必要なのです。いくらでも情報が載せられるので「情報のヘルプ」としては、最強だとは思っていますけどね。
それでは、どこに発火点を置くか。
ヤッパリ昔から変わらないような所みたいですよ。こんな感じ
- 業界を代表する専門家
- 影響力の大きそうな編集、作家、出版社
- 「顧客」の立場からオピニオンリーダー
- 新聞、雑誌
- その紙面を彩るフリーランス・ライター
といったようです。
そういえば、最近は雑誌、新聞は広告減っていると言われてますけど、捨てた物じゃない。購入層としては、以外に広く浅く持っているという所なんでしょうね。
(本にも因るとは思うけどね)
ネットの話に戻りますけど、私の感じでは、あくまでもネットって自分で集めないと情報が来ない。自分で集めてくるような層って、結構「コア」なユーザーになりすぎてしまうことも。広く浅くって言うのが、案外苦手なメディアなのかもしれませんね。
この本では、「権威、専門家」はめためた、「素人」こそ信用できる。「アンケート」は使えない。使うならユーザーの「動き」だけだ。「経験」、「常識」だって疑う。ブレイクスルーはとんでもない所にあると言う。とにかく行動あるのみ。探し続けるしかないとくる。
ということは、ムダに専門家に頼るよりも、新規の「発火点」なら、自分で探し出せるのかもしれないですな。でもごり押しは禁物。
とにかく今は「選択肢」だけは多くなっているので、選択肢を少なくする努力が必要のようです。シンプルに。そして売り込むときは商品ではなく、「自分」を売り込むように。
厄介なことを難しく説明すれば、説明するほうはやりやすいけど、本当に必要なのは、シンプルに、感覚に訴えるように。
当たり前なことを当たり前にこなすって、なかなか簡単には行かないからねえ。がんばらないと。