冒険投資家 ジム・ロジャーズの世界大発見

冒険投資家 ジム・ロジャーズの世界大発見
ジム・ロジャーズ 林 康史 望月 衛
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 ココしばらく読んでいた本の中で、珠玉の一冊。こういった本に出会える事が、本好きの堪らないところである。ジムロジャースは、多分「がっちりマンデー[G]」をご覧の方ならご存じであろう、アメリカでも有数の投資家。世界中を自分の足で(この本では車を使って、その前ではバイクで)まわり、有望な国に投資をして、巨万の富を得ている人だ。TVを見ていても、その屈託ない雰囲気に興味を持っていたので、読んでみたかった。

 そして、この本では、1999年から3年位をかけて世界を回った模様が描かれている。ヨーロッパをはじめ、イスラム圏(イランは残念ながら回れなかったようだ)からモンゴルを抜け韓国、そして日本へ。日本からまた中国を抜けヨーロッパへ。そこから、アフリカを通り、サウジアラビアを通ってインドへ抜ける。インドネシアを通ってオーストラリアへ。ニュージランドを経由して南アメリカへた。そしてアメリカに戻ると言った旅程を過ごしたようだ。その旅の中で、実際に人に触れ、投資をしてみたり、前の旅からしばらくたってその国に戻ってみると情勢が変わりすぎて投資金を引き上げたりと。本の中ではアルゼンチンのデフォルト前にきっちり資金を逃がす事に成功している。

 その国々の評価も、楽しめた。はっきりした口調で書かれているので、「それじゃあしょうがねえなあ〜」と言う気分になれて、またよい。
 日本にたししての評価はこんな感じだ。
 「この国(日本)の富には目を見張るどころではない。目が眩むほどだ。そしてほとんどどこを見ても、この国の裕福さがわかる。〜中略〜
しかし、この経済大国が長期的な問題を抱えている事は、目を凝らして見直さなくてもわかる。日本は哀れにも途方にくれた巨人であり、深刻な問題に対して直面している。そしてこの深刻な問題は自業自得なのだ。」
問題は、出生率、国民の平均年齢の高さ、移民をまったく受け入れない国民性。そして、自由民主党主導の巨大な財政赤字。そして、杓子定規な硬直感。
 言われてみると、う〜〜、と言い返せない点もあるし、ちょっと待ってよと言いたくもなるが、でも、ポイントとしては、言い当てられてますなあ。

 そんな感じで、世界各国の様々なレポートを一気に読めるということで、非常に評価が高いし、冒険譚としても、楽しめる。なんともお得な本であった。行ってみてみないとわからない国の情報も。インドは評価が薄い。隣国との対話がうまくいってなく差別主義のため投資の価値が低い。サウジアラビアは完璧に排他主義。外国人が決まり以上に行動する事も出来ないと言った事など…
 
 読んでみて、行ってみたい国がちらほら。たとえば,,,

  • タンザニア アフリカ観光ならこの国だそうだ
  • モンゴル 電話線は引かれてないが、携帯電話網では目がみはる
  • トルコ EU圏であり、ヨーロッパとしてみれば最も若い国
  • ミャンマー アジアで最貧国となっているが、もともとは豊かな国。軍事独裁さえなければ
  • ニュージーランド 現在の政策では国を閉ざそうとしている。排他主義により通貨は70%も下落した。しかし、天然資源ではオーストラリアとならんで豊かなので、素材関連としては、有望かもしれない。

 


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