テクノロジストの条件

テクノロジストの条件
P.F.ドラッカー 上田 惇生
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 テクノロジーを持っている人間が起業する時にどんな注意点があるだろう。それがこの本に載っている。そして、かならず企業家になると直面する『お金』にまつわる事を、これほどしっかり書かれている本はないんじゃないかな。そこは、さすがドラッカー、この手の本では世界でも第一人者だけある。まじめに書かれている内容だが、ぐいぐい引き込まれて行く。本当に面白い人だなあ。

 イノベーション。経営者になると直面するこの言葉。それには2つの面を持っている。「社会」と「技術」。社会に対応できなければ。会社は滅ぶし、技術がなければ生き残れない。
 技術力のある会社というのは、この世界かならず、いいなーと思える名文句である。「この技術があれば、絶対に金持ちになる」と、そう思われて久しいし、そう現に思っている人が多い。とんでもない事である。ドラッカーの言葉を借りればこうなる。

「ベンチャーは、いかにアイデアが素晴らしくとも、いかに資金を集めようとも、いかに製品が優れようとも、いかに需要が多くとも、事業としてマネジメントしなければ生き残れない。」
「ベンチャーはキャッシュフローの分析と予測と管理をする必要がある。この数年、ハイテク企業を例外としてアメリカのベンチャーの経営状態が良くなっているのは、新しい企業家たちが起業家精神には資金のマネジメントが不可欠である事をようやく理解するようになったためである」

 まさに言い当てていると私には思える。それは、自分自身でも実際に企業していて本当に実感した事だから。お金の事は常につきまとってくる。だからこそ、技術があるかといってそれだけでは、会社は成り立たない。
 会社を設立しようと思っている人には、ぜひ読ませたいと思える一冊だと思えた。

そういえば、ばりばりのプログラマーで鳴らしている、たつのをさんもとりあげていた。
http://nais.to/~yto/clog/2005-08-17-2.html

やはり、バリバリ技術者と見ているところが違うのが、面白いなあ。ご興味あればご覧下さい。


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