どんなに、頭が良くても、株で勝のは難しいようです。数学者として大学教授になった作者でも、株できっちりはまった、というよりは、嵌められてしまったようです…。問題となったのはワールドコムの会計操作の問題。それじゃあ、どんなデリバティブの知識があろうとも不正している会社じゃあ、だめだめだよなあ。
そんな、不確実な株の世界を「頭の体操」をつかいながらうまく説明している怪作です。
投資家の心理をうまい表現で書かれています。
たとえば、こんな質問をします。
・ウクライナの人口は何人でしょう
この質問をこんな風に変えます
・ウクライナの人口は500万人より上でしょうか
こういう風にすると、本当は5000万もいる人口の答えも平均で1000万程度で答えをねじ曲げて誘導してしまうテクニック、数字のレトリックがあるようです。これが、ポイントでねじ曲がった投資アドバイザーは、この方法でたくさんの顧客を嵌めていくみたいですね(笑) この数字をつかったレトリックでさまざまな、だましの方法も紹介されていますね。騙す方法が書いてありますから、騙されないように一度読んでおくことをお勧めしますよ。
それから、株はある程度法則があるのかもしれないが、不確定要素(ここではランダム)がたくさんあること紹介されてますね。どんな数学者も、なかなか勝てないんです。ヘタにデリバティブにお金をかけてやる必要もないのかもしれません。
「頭の体操」と「株」意外な結びつきが見えた面白い本でした。
わたしが、理数系の頭があったらもっと楽しめたかな。