自分を生かす人生

自分を生かす人生
本多 静六
自分を生かす人生
 本多静六の本は非常に面白い。
 成功本として読んでいても、必ず載っていそうななエッセンスは抑えている。例えば目標設定のところでは、留学時代に、お金がなくなって、それでも卒業しなければならない。そんな時に、半年でも早く卒業する事で、この極限を脱しようとしている。その時のエピソードなどは、柾にと言う感じだ。そこから得た自分の経験から来る話なので、非常に説得力を持っている。

 また、希代の資産家でもあった。その資産を作り出したのは、とにかく1/4づつ毎月入ってくるお金を貯めていく。その資産を元に山林を買い、戦争前の大需要期に、間伐材などを売り払い大きく儲けている。
 出身が貧乏だったから、お金をしっかり貯める事。この事をドイツの先生に学んでから取り組んでいると言うのも面白いエピソードだと思う。
 また、富を得るには「果報は練って待て」というのだ。努力してあらゆる準備を行ないながら少しずつ、条件を整えていく。急に得られる成功は必ず破綻すると…。
 なんか最近そんな話題が多いですねえ。

 もうひとつ必ず出てくるフレーズ、早く仕事を趣味にしろと。趣味にする事で仕事の仕方を変える。どんなに裕福になっても健康のためには動いていなければならない。そのために働けと言うのだ。エピソードもモチーフも冗談交えて書いているので、妙にココロに入ってくる。

 この本では、まさにそんな本多先生の名言集を自分自身で編纂した、そんな感じの本でした。今は絶版なんだけどね。でも、今売っている本で全て確認できる内容なので、この本ならでは、と言うのは、あんまりない。面白いから何度読んでも面白いんだけどね。

そう言えば、最近本多静六の名言集的な本がでていた。

本多静六 人生を豊かにする言葉
本多 静六
4872576594

 ちょっと読んでみたけど、物足りない。というか、最近の人が解説している。
 それがつまらない。いつもの本多先生のジョークに交えた経験の言葉と言説だから面白いのかもしれない。

 せっかく本人の本が安く売っているんだから、そっちをぜひ読んでください。難しい言葉もないしね。


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