客は集めるな!

客は集めるな! お客様とのきずなを作る3つの関係
中山 和義
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 経営者をやっていると、お金に困る時期と言うのが必ず一度は経験するものなんですよ。単純に売上が良くても黒字倒産の危機もある。大きな仕事をやればやるほど、収入が上がるかもしれないが、その仕事は長い間にやる為、その運営費がその分多くなる。
 そうなってくると、安定した収入が必要になるので、コンスタントな収入が必要にもなってくる。安定した経営のことを思うと、新規の案件をコンスタントにこなせたらなあと、思ったりするものです。そうなると、新規のお客さんをいつも一定に欲しいと思うので、お客さま集めに奔走することになりますね。

 でもそんな新規のお客さんを集める事で、今までコンスタントに勝ってくれたお客さまに、まさに経営を支えてくれてきたお客さまに、不利な状況を作ってしまう。そんな問題を改めて定義してくれたのが、この本でした。
 
 例えば、流出率が20%だとすると、1000人いたお客さまはどのくらいいなくなってしまうのか。十二ヶ月目には86人しか残りません。90%だと、313人まで保つ事が出来ます。
 とにかく、一度集めたお客さまをどれだけ維持出来るか…。お客の維持をもう一度考えてみる必要性があります。その工夫を改めて提示してくれています。
 新規でお客を集める手段は実は結構ありますよね。なにより、自分の会社でどんなことをやっているか、しっかりアピール出来、それを広告として載せられれば、100件出せば3件は帰ってくる、(最近は1%とも言いますが)そんな確立のことは数多い新規の案件を集める本に記載されています。
 
 そうではなくて、「維持する」。この点を考えると、顧客維持と同じにスタッフの維持も考える必要が出てきます。
 やはり、会社を運営して思うのは、「気心しれた社員や取引先とどれだけ長く仕事が出来るか」。これが一番の幸せとも思えます。
 そう思うからこそ、既存のお客さまと関係を維持する事、改めてその重要性を認識出来たよい本でした。


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