仮想経験のデザイン

仮想経験のデザインーインターネット・マーケティングの新地平
石井 淳蔵 水越 康介
4641162646
 インターネットのコミュニティーを中心に解説している一冊。コミュニティーを持続的な形で存続出来るのか。その為にはどんな条件が必要になってくるか。

 ネットの仕事をしていると、周期的にお客さまが、常にページにきてくれる仕掛けを要求される。そうなると、お客さま側で、まず思いつくのがコミュニティーの形成。最近話がよく出てくるのが「mixi.jpみたいなのつくれる?」なんて。でも、その維持にどれだけ大変な事があるのか、わかっているのかしらん。

 さて、そのコミュニティー。失敗するとお客さんがだれも書込まなくて、淋しい状況。うまくいっても、書き込みの内容に問題が出て炎上してしまったり。維持するのが難しいのです。

 この本では、そもそも存在の意義があるコミュニティーとはどんなものか、2つにまとめている。

  1. インターネット上に掲載されたコミュニティー。そこに一つの規律を持って維持し続ける事が出来るか。
  2. 社会に定着出来るか。魅力を保っていけるか。そして、ひとつの経済単位として保ち続ける事が出来るか。

 最近では、コミュニティーは、経済的に収益を上げられる性質を持たそうとアイデアを求められている。コミュニティーは思っている以上に人手がかかる。収益性仮名イト維持出来ないとも言えるのですよ。
 で、その収益性をどこからえるか。その手段は現在4つ

  • 課金モデル。利用する事で費用を頂く。コミュニケーション自体をユーザーの目的とする
  • 場を提供する事で収益を得る。ネットゲームなどの携帯
  • リアル支援型サイト。例えばダイエットのサイトのように実際にやっている人たちを支援する。ユーザーが特定してるので広告費を集めやすい
  • 成果型モデル。コミュニティーの結果が収益に繋がる価格.com[G]のようにコミュニティーの結果でクチコミを呼んだり、@コスメ[G]のようにユーザーの声を集めるテストで収益を得たり。

 以上の形に集約しているようだ。とにかくコミュニティーの維持に手は手間と暇がかかるので、作ってお終いでは、維持は出来ないのですよ。

 コミュニティー自体の未来は色々な方向をとる事が出来るし、当たった時の収益力も影響力も大きい。昨日上場したmixi.jpしかり、韓国のサイワールドしかり。

 この本では成功していると言われている各サイトの収益方法とその傾向が書かれているので、コミュニティーを考える人にとって、企画を考える人には、役に立つ本である。もとは大学の論文なので、読みやすいとは言いづらいけどね。でも、ここまでまとめている本はなかったのでこの仕事をやっている人間には希少です。


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