憲法九条を世界遺産に

憲法九条を世界遺産に
太田 光 中沢 新一
4087203530
 爆笑問題の太田さん。毎週TBSのラジオを聴いています。
 ラジオを聴いていると、特集や、「太田はこう思う。」そして、太田の読んだ本の特集等を聞いていると、なかなか狂気にも似た勢いで喋り出します。
 太田さんの喋りの勢いは、周りは、普通ならついていけない感じだけど、そこで、素直に田中さんが微妙な突っ込みや「わかんない」と妙な間の手。どんなに太田さんが突き進もうと、田中さんの不思議なと言うかマイペースな間の手で、一気にお笑いにしてしまうあの二人は、ホント不思議だ。
 太田さんがすごい、天才だなんて言われていますけど、あの田中さんの究極のマイペースさと言うか、個人的な視点と言うか。伊集院と爆笑問題のジャンクで伊集院が「天才太田とバケモノ田中のコンビだ」と言うのは、不思議な感じでもあり、なるほどと思うのでもあり。

 さて、その太田さんと宗教学と言うか歴史学、私なら最近読んだアースダイバー中沢新一[G]日本国憲法9条[G]について対談した対談集。

 さて、九条をどのように形容されたか。形容の仕方が面白い。第二次大戦と言う凄惨な戦争を戦った日本とアメリカ。もうしばらく戦争なんていいよ、となったその瞬間だからこそ、その瞬間にでき上がったものが日本国憲法九条であった。九条は、戦争はもういいと言う、日本人のその時の思いと、アメリカにあった平和主義の結晶が奇跡的にそろったものであった。
 桜は一瞬にぱっと咲く。その時に日本人に出てくる思いは、まさに狂気のように人をくるわせる。それは一時に花が咲き散っていくから起こる。憲法九条もまさにそのタイミングで出て来たものだと。これはまさに時代の狂気が生んだもの。普通の時代ではあり得ない。

 だから、そんな奇跡的なものを戦後60年間守ったのだから、世界遺産にすべきものだと。遺産なのだから、それは放っておけば潰えてしまうものを守るべきではないのか。日本は狂気と言うか、酔狂で生んで育てたものを、このままなくして、「普通の国」になるべきではないと言う事を、この本で、切々と伝えている。
 こんな感じだったでしょうか。なんか本も読まずに、受け取った事を書いてみた。

 ともかく今の日本が「普通の国」とちょっと違っているのは、やはり「9条」という心のありかがあると言う事なんでしょうかね。やっぱり日本人なら気になる点だと言えばそういう気がする。
 うーーん、こう言う論建ては面白いなあ。見ていて嫌になる事もなかったし、なるほどなあとも。太田さんはそういう所は、ホントうまいなあと思います。
 こう言う話しは、色んな人が色んな意見を持っていますから一つの意見として、一度考える材料にはふさわしい話しですよ。そういう意味で一読の価値があるかと思います。

 ちなみに、この本に落語にまつわる話しがあるけど、その点は、ホントになるほどねえと。笑いは権力にとって一番怖いものかもしれませんよねえ。


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