神田さんの新作。今回は小説と言う事で、どうなる事やらと思いながらも、一期に読んでしまいました。けっこう展開は強引なところあり、無理な話もありで、コミカルと捉えれば、それはそれで納得しそうな。
この小説の背景の理念は、最近神田さんの本を読んでいると出てくる「時代の流れ」と「栄枯盛衰」。その点の描写が少し説明的すぎる雰囲気があるけど、そのことに理解を示して読んでいけば、「なるほどねえ」と納得しながら読めるような。
話の流れとしては、フリーターの青年が巻き込まれる、ある会社の教育プログラムにまつわる自殺騒動と、海外テロリスト事情。そして、インターネットの新興勢力。IT系派遣企業のもつ秘密が、新たなカネを生む。だけどそこには、人を人と見ない思想が…。
永ちゃんを目指す青年はその事情と、どのように立ち向かうのか。
今回の話では、キーワードになってくるのが「洗脳」。
ネット社会はTVの時代に比べて確かに様々な意見が酌みやすい。だけど以前に比べて、デマ情報も流しやすい。たしかに2chをみていると、特定の団体に有利になるような情報や意見が多く流れているような。その判断をもてる事が、ITのスキルが高いとも言えるのは事実だからね。
さて、小説の中ではキャラが立ちすぎて、どんなものやらのピザなIT社長とボインの秘書コンビとか、3文エロ小説の秘書とのシーンとか安い雰囲気が漂うところがあるので、高尚な小説とはかけ離れているが、一つのエンターテインメントとして、そして、ビジネス本としてエッセンスを見るには面白いかもしれない。上巻の引きは少しあざといので、このくらいの引きはビジネス文章としては必要かもしれないしね(笑)
でも、好都合な話もかなり多かったけどね。楽しかったから、まあ、いっか。