ウサギはなぜ嘘を許せないのか?
マリアン・M・ジェニングス 山田 真哉 野津 智子
190センチの巨大なウサギが見えてしまう、そんなカワイソウナ(笑)正直者の話しを中心に、コンプライアンス(法令順守)は、なぜ必要かを説く一冊。
主人公は不器用な人間で、うまい話に乗らずに正直に生きていくしかない。たとえば、インサイダーで儲けられそうなうまい話や気がつかなければ、安穏と高い金で生きていけそうな給与を捨ててでも、不正や隠し負債に関しては許す事が出来ない。
考えてみると、一時的には確かに美味しい思うことだけど、最後には結局ばれてうまくいかなくなる。それは、今までの事件が証明している。ライブ○アとか、山○とかって会社が日本でもありましたねえ…。
だからといって何でも見知った事を告発すればいいと言う訳でもなくて、この本では関係者にはしっかり伝える事はしている。結局社長に伝えて会社を首にさせられても。でも、ヒステリックにマスコミに伝えるみたいなことしていない事は、共感できる構成のような。
話しの展開はかなり冷静だし、ゆったりとしているのでそれも良い。
でも、違法なことしていた人たちはどうなっていくか。嘘が嘘を呼んだ人たちは、結局嘘に引きずられて自滅していく。インサイダーを取引していた人は資産を差し押さえの上、刑務所行き。債務を隠してうまくやってきたと思っていた人は、結局詐欺やら資産非公開などで公正取引委員会やら証券業界から締め出されたりと。
正直者は、人生は不器用だけど、大損はしないで、最後にうまくいく。途中でうまくいかない事があるかもしれないけど、正直なら後ろめいたいものもない。プライドや何やらが一時的に傷つくのかもしれないですけども、結局正直でいるのが、気楽でそれが良いのかもしれないですな。
コンプライアンスって言われると難しいような気がするけども、結局は正直である事が重要と言う事でしょうね。
追伸
うれしい事に、この本の監訳者山田さんのブログから、リンクがついていました。ありがたい話です。お返しトラックバックをしておきましょう。