問題解決のレシピ

問題解決のレシピ
河瀬 誠
4820745018

必ず、今年本棚に残っているだろう一冊。たぶん今年のベスト10にも入るんじゃないかしら。そのくらいすばらしい一冊。

図解で物事を説明するとよい、と言う話はよく聞くはず。
デモその図をどのように作ったらよいか迷うことも多い。その時にはこの本に書かれている手法をうまく使えば、解決できることも多いと思う。

まず図にできないと言うことは、整理できていないと言うことが多い。それならば、課題から結論に持ってくる課程で以下三つを考える。

  • Why So? (なぜ?そう言える)
  • True? (本当?)
  • So What? (だから何?)

そんな感じで情報を少しずつブレイクダウンしていく。
その分解していく過程は是非この本を読んで、やり方を見てほしい。分岐していく図のやり方は、秀逸といえるでしょう。

そして、分解するときにはMECEと言うのが重要らしい。
MECEというのは、漏れなくダブりがない状態のこと。この状態にまで分類すると問題の「軸」と言うのがぶれなくなる。その分類にはちょっとしたコツがあるので、それは本をよく見てほしい。

この本は企画編集をする人なら、そして人に説得をしなくてはいけない人なら、きっとヒントが得られる。そんな一冊です。
こういう本が出てくるから、本読みは 、やめられませんね。

世界一愚かなお金持ち、日本人

世界一愚かなお金持ち、日本人 (ディスカヴァー携書 18)
マダム・ホー
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日本人って、環境的には世界的にも恵まれているのかもしれない。本人たちは気がついていないだけなのかもしれませんが…。

だから、0.*%なんていうほとんどないような金利の銀行にお金を預けてしまっている。これは海外から考えればあり得ないことでしょうね。

この本の著者は不動産取引を中心に資産形成を行っていたようです。若いときから投資を行っていくのはアメリカでは常識。あのシュワルツネガーもロバート・デニーロも土地やレストラン経営でしっかりした資産を築いていますから。でも、著者のプロポーズまでも指輪でなくて投資物件としてのバーガーキングという話題には、そこまで好きかと笑ってしまいましたけどね。

中国人や欧米人の資産と借金に対する考え方は非常に参考になります。資産も重要ですけど、見えない資産もどれだけ重要か。その点も読む価値ありでしたね。

トップコンサルタントがPTA会長をやってみた

トップコンサルタントがPTA会長をやってみた—発想力の共育法
三谷 宏治
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子供をしつけたり、子供に対しての本かなあと思っていたら、PTAと言う活動を通して、子供を通して、自分をどう育てていくか、自分をどう見つめていくか、大人自身の生き方の本、そういう内容だった。

番線

番線―本にまつわるエトセトラ (UNPOCO ESSAY COMICS)
久世 番子
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知る人ぞ知るマンガ「暴れん坊本屋さん 」の続編。
きっと知っている人は、「ニヤリ」としてしまうんでしょうけど。

前の本屋さんでは、本屋さんにまつわる裏事情というか、人間模様がダメ人間調に描かれているので、大笑いさせていただきました。

今回はそのノリそのままに、国会図書館の話、文字の印字の話と言った本好きには妙に心打つ内容が込まれてます。
相変わらずどたばたですが、出てくる人たちは異常に本好きですので、私のような本好きには、変に同意できることが多いかなあ(笑)

国会図書館の下りは、人はどうなっても知らないけど、本はしっかり残りますというスタンスが妙に開き直っていて面白い。あそこは、そういう人たちが多いのかな。そうじゃなきゃつとまらないやw

本読むのが好きな人はきっと虜になるこの本。そうじゃない人は「こういう変な人がいるんだなあ」と眺めてもらうだけで結構です。

勉強に集中する方法

勉強に集中する方法
須崎恭彦
4478001642

勉強というのは、習慣化するのも大変だし、なにより、始めることが大変というイメージを持ってしまっています。
でも、考えてみると、それほど大変なことはないかもしれませんね。というのは、これだけ本を読んでいると、「勉強家ねえ」なんて、人からは見えているようです。自分では単におもしろいから読んでいるだけなのにねえ。

勉強を初めて見るに当たって、重要になるのは「とにかく初めてみる」ということでしょうね。
「失敗したら別のやり方を見つけてみればいい」
そう思えることで、自分にあったやり方を試行錯誤する。成功者ほど試行錯誤しているというではありませんか。

勉強を初めて見て、一番難しいのは最初の時期のようです。
飛行機と同じで最初に一番、力がかかります。なので、最初の部分ばかりやっているというのは、「全速力で走ってばかりいる」ということと同じと、この本は指摘していました。
なるほど、最初ばかりだとそれは大変ですからね。一日1分でも続けられれば何か変わるかもしれません。

そして初期に重要なのは、「繰り返し・楽しく・ほめられながら」
そうやって乗っていけば、続けることも苦しくなくなるはず。そこを超えれば何か見えてくるはずですからね。

売れるネーミング成功法則

「売れるネーミング」の成功法則―よくわかる!ネーミングによるブランド戦略 (DO BOOKS)
岩永 嘉弘
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ネーミングは経済活動、ひいてはマーケティングにおいて重要な要素をしめる内容です。ネーミング次第で売れなそうな商品でも売れてしまったり、確実に売れる商品がだめだったり。
また、会社によっては、ネーミングに法則があるなど思った以上に深い世界をこの本で知ることができました。
まさに「ネーミングは経済活動」なのです。

ネーミングでいうと、古くは第二次世界大戦の日本軍。
戦艦や巡洋艦には法則性があり、その名前によって軍の陣形がわかるようになっていたようです。
例えば、戦艦は国の国名(大和、武蔵)。第一巡洋艦は山の名前(赤城、鳥海)。第二巡洋艦は川の名前(天竜、利根、最上)。駆逐艦は、雪・雲・波・霧と。
こう表現されると納得です。
「中央に武蔵、左舷に赤城、右舷に摩耶。前方を初雪と東雲、敷浪が横隊をくんで進め」
これで絵が浮かんでくるのですから、海軍のネーミング恐るべし。

でも最近はなじみやすいように、語呂合わせだったり、一つの言葉を足したり引いたり。
少しでも知っている、わかりやすいというのがヒットの秘訣な様子ですね。

でも不思議なのは、この本で扱っていたベンツの商品名
SL-500やE-350といった番号なので、私はどうしても車のイメージがつかめません。まだ、トヨタや本田の車のがわかりやすいような。
そのトヨタはCから始まる言葉が車に多くついているそうです。(カリーナ、コロナ、クラウンなどなど)。そしてホンダは音楽にちなんだ名前(アコード)が多いそうですね。

名前一つとってもなかなか奥深いですね。
ちなみにこの本では単純に名前をつけるに及ばず、商標登録まで言及があります。そして商品化に当たり、ネーミング後ロゴ化するなど商品行程が乗っているので、そういった情報に興味ある人にもよいかもしれませんね。

アメリカ人大富豪世界一の考え方

アメリカ人大富豪世界一の考え方
浜口 直太
4766211391

アメリカの大富豪と聞くとものすごいワンマンで、剛腕で、わがままで。
多分このイメージは、ドナルド・トランプやスタイン・ブレナーみたいな顕示欲バリバリの一部の大金持ちのようだったようですね。

この本に出てくるDellのマイケル・デルやウォルマートのサムウォルトンと言った人たちは、人の意見を聴き、そして謙虚だ。
正直持っていたイメージと本当の姿とはだいぶ違うものだなと感じさせられる。

また、様々な社長を紹介しているが、彼らが社員に対して持っている認識は、「自分より優秀な社員を持っている」ということ。
自分ではできないことも、その社員達スペシャリストがこなしてくれる。だからこそ今の自分があると思っている。
また、この本のまとめにも書いて合ったが、日本人の特に中小の社長は自分で何でもやろうとしすぎる。自分で何でもはじめれば時間がかかる。でも、その時に専門家である人間を雇うなり、お願いすれば一期に時間と成功できる可能性が増える。
そう言う意味で、日本の社長は、アメリカの大富豪に比べて、器の小さい人間が多いのかもしれませんな。

たくさんの人に関わってもらい、人の重要さを理解する。この事が大富豪の考え方につながるような気がします。いや、実践していましょう!

マンガ 餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?

マンガ 餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?
武井 宏文 林 總
4478002355

会計本では、非常に読みやすくて面白かった同名タイトルの本「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」が漫画化された。

この手の本ですと、漫画化されてしまうと、いい部分が抜けてしまって、逆に読みづらかったり、意味が抜けてしまったりすることがあるのだが、この本は違っていた。全く掲載している要素、そのままに漫画化されているので、非常に読みやすい。そして、よりわかりやすい。どうタイトルの書籍より、できがいいので、前の本を買った人間からすれば、ちょっと悔しい(笑)が、面白いものは、しょうがない。

本のあらすじとしては、父親が亡くなってしまい、娘が会社を引き継ぐことになった。しかしその会社、社長になってみたものの、経営についてわからない。でも、会社の財政は火の車。
そこに、助け船として飛びついたのが、グルメなコンサルタント。レクチャーすることをすぐに実行することと、月一のレクチャーに、うまいものを食べることを条件に、会社の経営について、会社の経営ポイントについて話していく。

文章で読んでいても、変わったコンサルタント(笑)だが、漫画だとより濃くなっていますね。
でも、嫌みがないところがまたよいです。

また、話の筋は非常に面白く、また会社を運営する、経営する人にとってはとても役に立つ要素が多い。
その上、会計にともなう、そのカラクリにもふれられているので、会計、経営する人にとっては、まさに必ず読んでおいた方がよい、いや読むべき内容に仕上がっています。

経営の秘訣でもある、PDCAサイクルもふれていますので、経営者としてすべきことも書かれていますからね。
ただ、読みやすいので、侮ってしまいがちなのが、怖い。
この本には、重要な要素がいくつも載っているので、何度も読み返さないともったいない本ですよ。

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頭がいい子に育てる親の話し方

頭がいい子に育てる親の話し方
樋口 裕一
434401474X

子供を育てるときに気をつけなくちゃなあ、なんて思うことは、その子とどんな風に話ができるか。話し方一つで、子供は、がっくりきちゃうこともあるし、元気になることもある。

個人的なことをいえば、うちの親父さんは、口のひどい人間の上に短気で、まあ困った人間ではあるんですけど(笑)、いいひとでもあるんですよね。

その、口の悪さ委に、子供の頃は、傷ついたことはあったよなあとも。でも、今となっては、そういう口だけは悪い、いいやつだからさあ、なんていう目で見られるようになって入るんですけどね。

でも、子供はそんな風にみることはできません。
だから、やっぱりやる気が出るように声をかけてあげることが必要です。子供が話しかけてきても、「ごめん、今忙しい」。「もう、おしゃべりなんてしてないで勉強しなさい」なんて言ってしまいそうで、気をつけないとね。

ここは親がどうするべきか。ちょっと我慢して子供言うことをしっかり聞いてあげる。そして、子供が興味持っているものを黙って見過ごしてあげる。そうすることで、後から大きな進化につながることも、紹介されていました。自分のことを思い出すと、ああ、そうだったなあとしみじみ思ったり。

勉強することも大事だけど、それ以上にその子を成長させるには、子供の持っているものを育てて、興味を示させること。それが育てば後からだって挽回できますからね。

やたらと厳しいことや変なプレッシャーをかけないで、温かい目で子育てすることが 、どれだけ大切なことが。改めて考えちゃいましたね。

情報大爆発

情報大爆発―コミュニケーション・デザインはどう変わるか
秋山 隆平
4883351785

現在における情報の状況はとんでもないことになっているようです。
この本では、電通マンの秋山さんが今まで作ってきたPowerPointの資料ともその事例を紹介していますので、一つの資料としても大変使い勝手がよいかもしれませんね。

今の時代は、「情報化時代」は終わり、「情報過剰時代」になってしまいました。というのは、インターネットが高度に発達してきたおかげで、今まで人類が話してきたすべての情報5エクサバイト(50億GB)あったのですけどね。1999年に発信された情報だけで2エクサバイトにまでふくれあがっている。
となると今までずっとしゃべり続けていた情報よりも多くの情報が世の中に出回っているということなのです。
ちなみに2006年では161EB(エクサバイト)あったそうですよ…。

その大量の情報の中から、いったい何を選択して、何を信じるか。その情報取捨選択でその人の感度すら変わってきてしまうかもしれません。

それではいったい何が情報として信じられるのか。
こうなると信頼している人の口コミから入ってきたり、アテンションされた内容に目が飛び移ったりと情報自体が目立ってくれないと、こちらがわからない状況に陥ってしまうのかもしれませんね。

この口コミも6人伝達すれば世界中の人と巡り会えるということがあるように、「口コミ」の影響力も馬鹿にならなくなってしまいました。世の中それだけスモールワールドということになってしまったんでしょうね。

また、その口コミは、一気にブームとなることもあります。話が雪だるまのように大きくなってしまうというのも現代の情報爆発といえるでしょうね。

とにかく情報が多くなることで世の中が小さくなりました。
でもそれはあくまで情報の中でです。そこでどのような選択をするかというのは、やはり自分たちに責任があるということなのは気をつけないといけないですよね。

この本は、素直に考えさせられるし、面白かったなあ。